CMSの選び方~自組織に最適なCMSを見極めるポイントを解説~

 

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、専門的な知識を学習することなく、誰でも簡単にWebサイト(ホームページ)を更新・管理することができる大変便利なシステムです。
CMSの種類には様々なものがあり、仕組みも異なるため、CMSによって運用方法や運用のしやすさは異なります。また、高度機能CMSの場合、運用にあたり、IT知識が必要なこともあります。
ここでは、自組織に合ったCMSを選定する際のポイントについてご説明します。
CMSの基本的な仕組みや種類などについては「CMSとは」のページで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

CMS選定のために、まず整理したいWebサイトの目的と課題

Webサイトにおける目的、課題を整理することで、CMSの必要性を確認することができます。

Webサイト(ホームページ)の目的

まず、CMSを導入したいと考えているWebサイトの種類と目的を改めて整理しましょう。

  • Webサイトの種類(例:コーポレートサイト、公的機関サイト、製品サイト、ポータルサイト、採用サイト、ECサイト、情報発信サイト、社内サイト)
  • 最終的に実現したいこと(例:売上向上・問い合わせ増・優秀な人材の採用・リード獲得・IR情報の発信・スムースな情報発信・運用における属人化解消・セキュリティ確保)

Webサイト(ホームページ)で解決したい課題の整理

Webサイトに関する課題を整理しましょう。関係者にアンケートしてみるなど、幅広い意見を募るようにします。以下はよくある"Webサイトについての課題"です。
運用の課題がある場合は、CMSの導入を検討しましょう。

Webサイトの課題

  • コンテンツの内容は少ない、古い等、活用できていない
  • デザインが古く印象が悪い
  • 使い勝手が悪い、必要な情報にたどりつけない
  • アクセス数が伸びない
  • セキュリティに問題がある

運用の課題

  • Webサイト更新が多いが運用が自組織でできず、ベンダー委託のため費用がかかり、スピード感のある情報発信ができない。
  • 製品情報、緊急時のお知らせ、各種情報をすぐに発信できるようにしたい

  • Webサイト運用は自組織で実施しているが属人化している

CMSを導入済みの場合の課題

CMSを導入済みで、CMSは継続して利用したいが、現CMSを刷新したい場合、"現CMSについての課題"も整理します。

  • 制約が多くやりたいことができない
  • 操作が難しく一部の人しか利用できない
  • セキュリティに問題がある
  • CMSが古く、動作が遅い

CMS選定時に確認したい主な項目と自組織に合う選び方

運用に課題がある場合は、CMSの導入を検討しましょう。
コーポレートサイト、公的機関サイト、製品サイト、ポータルサイト、採用サイト、ECサイト、情報発信サイト、社内サイトなど、Webサイトの種類によってCMSで必要な機能が異なります。
どのようなサイトを作成したいか、そのためにどのような機能が必要か、を検討してから選定しないと、不要な機能で費用が高額になる、オーバースペックで使いにくいなど、問題が発生する可能性が高くなります。
また、誰が使うのか、更新したい内容はどこなのかを明確にし、ページ作成の自由度と専門知識の必要性のバランスを検討する必要があります。
要件の検討が不十分だと、自由度は高いものの専門知識が必要、設定項目が多く使いにくい、制限が多く理想のページが作成できないなど、不満になる可能性が高くなります。
正しいCMS選定のため、まず以下について整理しておきます。

操作性

直感的に操作できるCMSなら、マニュアルを見ながら作業する必要がなく、サイト管理をスムーズに行えます。さらに、利用者が増えた場合でも、操作が簡単であれば教育コストを抑えることができ、導入後の負担も軽減されます。
特に、運用体制にリテラシーの低い方が含まれる場合、CMSの操作がわかりやすいことでミスも減り、安定した運用につながるため、CMS選びにおいて操作性は非常に重要なポイントです。実際に触れてみないとわからない面も多いため、導入候補のCMSを絞ったあとにデモ環境を実際に使ってみることをお勧めします。
ただし、運用体制が、リテラシーの高い方中心とする場合は、この限りではありません。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は直感的操作で、マニュアルいらずでご利用いただけます。

CMS利用者数、サイト数

CMS利用者数やサイト数に制限があるCMSや、従量課金制のCMSも存在します。コストを考えて選んだけれど、結果的に予算を超えてしまったということがないよう、導入前の確認が不可欠です。
コーポレートサイトのみか、製品サービスサイトも管理するか、グループや支店、学校等のサイトも管理するか、など、サイト数はCMSの選定において重要なポイントです。複数サイトある場合、複数サイト管理ができるCMSが便利です。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は利用者数やサイト数で費用は変わりません。

Webサイトの規模(ページ数・ファイル容量)

Webサイトの規模(ページ数・ファイル容量)の把握は必要です。CMSによっては容量によって、費用が異なる場合や動作保証されない場合があります。また、コストに大きく関わる部分となります。

更新したいページと頻度

CMSで更新したいページはどれか、どんな単位で更新するか(毎日・週1・月1・四半期等)あらかじめ整理しておきます。

頻繁な更新が必要なページの例

  • イベント情報・お知らせ
  • 製品・サービス情報
  • ニュースリリース(プレスリリース)
  • IR情報の資料(四半期・決算時)
  • 採用のセミナー情報、社員紹介

頻度は少ないが修正が発生するページの例

  • 組織情報の連絡先や住所修正
  • 支店や学校等、組織の追加、削除
  • 採用情報の社員紹介の人物入れ替え
  • トップページに掲載しているメイン画像の差し替え

フォーマットの整理

CMSで更新するのに向いているページは、フォーマットが決まったものや、ちょっとした修正のページなどです。
Webサイト内のページはフォーマットが統一できるか、または特別なデザインが必要なページがどの程度あるかについて整理しておきましょう。
キャンペーンサイトや採用サイトなど、デザインがリッチで更新頻度が低いWebサイトは、CMSを入れずに制作会社に運用を委託したほうが、費用対効果がよい場合もあります

コスト

CMSは、高機能なエンタープライズ(数千万)から、無償のものまで様々なものがあります。そのため、どの程度のコストがかけられそうか、あらかじめ想定しておくと選定の際、効率的です。
CMS導入には主に以下の費用が発生します。

  • CMS費用(パッケージやSaaS利用料)
  • サーバ費用(オンプレ構築費用やクラウド、レンタルサーバを利用する場合)
  • Webサイト移行費用(既存WebサイトをCMSに取り込む作業)
  • デザイン・テンプレート費用(リニューアルする場合のデザイン、コーディング費用。テンプレート費用は既存Webサイトデザインを活かす場合でも必要。)
  • その他(カスタマイズ、新規コンテンツ作成費用等)

特に「Webサイト移行費用」はページ数によって、価格差が大きく出る部分ですので、見積もり依頼する際は、必ずページ数を伝える必要があります。また、希望額でもかまいませんので、想定予算をざっくばらんにベンダーに伝えて相談すると、マッチしたCMSの提案を受けられます。

拡張性

基本的なCMSの機能だけではなく、独自のしくみが必要な場合、カスタマイズができるかどうかは、選定において重要なポイントです。CMSによっては一切カスタマイズができないものもあるためです。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は、カスタマイズにも柔軟に対応しています。

セキュリティ

CMSやサーバの脆弱性など、セキュリティ対策が不十分だと改ざんや情報漏洩につながる可能性があります。CMSの脆弱性対応の確認や、機能として、ログイン機能の充実度、CMSへのアクセス制限が可能か、といったセキュリティ面を確認し、安心して利用できるCMSを選びましょう。
なお、当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は脆弱性診断も受診済みであり、ログインのセキュリティ強化や、アクセス制限設定機能、ファイル内個人情報削除機能(PDFファイル、オフィスファイル、画像ファイルのプロパティの個人情報を自動で削除する機能)も実装されていて、安心してお使いいただけます。

運用体制・役割分担・教育

CMS導入にあたり、運用体制や役割分担をあらかじめ検討することは大変重要です。CMSによっては、CMSの利用者数で金額が変わる場合があります。また、実現したい運用体制(各担当者のコンテンツを権限で振り分けるなど)、フローを想定しておくと、CMS選定の際に実現可否を検討することができます。
教育については、CMS利用者に操作研修を実施することは必須ですが、それ以外にアクセシビリティやSEOに関する簡単な知識を習得させることで、Webサイトの品質をより向上することが可能です。

更新者はだれになるか

更新したいページが決まったら、そのページを更新したいのは誰か、また運用は1名や数人か、または組織全体、複数人での運用体制になりそうかなどを想定してみましょう。

更新して公開するまでにチェックする必要はあるか、またはチェック者はだれか

担当者が更新したら、その後はすぐに公開するか、または誰かにチェックしてもらう必要があるでしょうか。
チェック体制が必要な場合、CMSに承認フロー機能(例:編集者→公開者 で公開する または  複数のフローを経て公開する。)が必要です。フローの複雑度に応じて、CMSに求める機能も変わります。運用者の負担も考えて、その体制が実現可能かも見極める必要があります。

サポート体制

CMSを利用していると、操作方法に迷ったり、万が一のトラブルが発生することもあります。そんなときに気軽に問合せができる体制が整っていかどうかは、安心・安定した運用のために重要なポイントとなります。
問い合わせ回数に制限はあるか、返答までどのくらいの時間がかかりそうかをチェックしましょう。
海外製品は、海外開発元への問い合わせが必要な場合、お客様、保守ベンダー、海外ベンダーとフローも多く、回答が遅いこともあるため注意が必要です。
国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は当社開発のCMSのため、万が一の不具合発生時もスムーズに対応することが可能です。

サーバ基盤

サーバは自社管理(オンプレミス)、SaaS利用か検討します。

  • オンプレミスの場合:基盤は新規で用意、構築するのか。自組織でサーバ構築するか、ベンダーに依頼するのか。
  • SaaSの場合:SaaSは一律のサービス規定がある場合がほとんどのため、許容できるかも見極める必要があります。

※他、お客様側でクラウドやレンタルサーバを手配していただくケースもございます。


CMSを選ぶための具体的な手順・フロー

フロー 概要
1 CMS選定時に確認したい主な項目と自組織に合う選び方」記載の要件を整理する。 要件を吟味し、"必須"か"尚可"かを記載しておくことをお勧めします。
2
  • 1で整理した内容とマッチしたCMSの情報収集をする。(または、Web制作業者に要件を提示し、CMSを選定してもらう。)
  • CMSの選定が進んだら、CMSの操作性を確認するため一定期間トライアルや、デモを利用する。
  • CMS選定では、次項の「CMSの種類」も確認してください。
  • トライアル、デモ利用が可能なCMSがほとんどですが、不可の場合、ベンダーにデモをしてもらい、確認します。
3 見積を入手し、選定する。(Webサイトの移行やリニューアルが必要な場合は合わせて見積をもらう。) 基本的には、CMSの導入、移行はベンダーに委託し、運用からCMSを利用します。

CMSの種類

CMSの種類は、提供形態、導入形態、配信方式、開発元等で、分類することができます。ここまでの整理を念頭に、どのようなCMSが適しているか確認しましょう。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」の場合、提供形態:商用CMS、導入形態:SaaS型・オンプレミス型、配信方式:静的、開発元:国産CMSとなります。
特徴をよく理解し、構築したいWebサイトの特性やコストを鑑みた上で、CMSを選定する必要があります。

提供形態

オープンソース型CMS (無料CMS)

オープンソース(OSS)のCMSです。ライセンス料が不要のため、導入コストが抑えられます。一方で、CMSのソースコードが公開されているため、脆弱性が悪用される可能性があります。また、カスタマイズやトラブル対応には専門知識が必要となります。(例:Wordpress(ワードプレス)、Drupal(ドゥルーパル)、Joomla!(ジュームラ))

商用CMS(有償CMS)

パッケージCMSやSaaS型CMSなど、ライセンスや利用料が必要なCMSです。コストはかかるものの、導入時から保守までサポートが受けられます。セキュリティも高く安心してご利用いただけます。

個別開発CMS(有償CMS)

すべてのニーズを網羅して個別に一から開発するCMSです。満足度は高くなりますが、初期、保守ともに非常にコストがかかります。最近では、既存CMSをカスタマイズして、コストを削減しつつ、ニーズをマッチさせるケースが多くなっています。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は、カスタマイズにも柔軟に対応しています。

導入形態

SaaS型CMS

サーバの準備が不要なため、スピーディーに導入ができます。サーバのセキュリティ対応や障害対応はクラウド提供のベンダーに依存しますが、お任せすることができます。

オンプレミス型CMS

自社サーバの準備が必要ですが、インターネットを利用せずCMSにアクセス可能となります。自社内でサーバのセキュリティの管理ができます。

※他、お客様側でクラウドやレンタルサーバを手配していただくケースもございます。

配信方式

動的

DBを利用することで、会員サイト、ECサイト、複雑な検索を必要とする製品やサービスサイト、また、サイト閲覧者単位でページに表示する情報を変えたい場合に向いています。Webサイトをマーケティングへ活用することがしやすいCMSです。公開サーバにDBやプログラムがあることから、サーバセキュリティ対策は重要で、コストもかかります。

静的

情報発信がメインのコーポレートサイト、公的機関のサイト、BtoBサイト、学校サイトなどに向いています。公開サーバでDBを利用しない為、DBを利用した攻撃を受けず、高セキュリティです。また、サーバに特別高性能な対策が必要ないため、低コストで運用できることも特徴です。

※「CMSとは」ページの「静的CMSと動的CMSのページ生成の違い」の項もご確認ください。

開発元

国産CMS

国内で開発された日本産のCMSです。もともと日本語で構築されているため、メニュー名もわかりやすく、直感的に操作が可能です。サポート面では、開発元が国内のため、素早くスムースなサポートが受けられます。

海外製CMS

もともと外国語でメニューが作成されていたため、日本語に翻訳されていてもわかりづらい場合があります。サポート面では、海外開発元への問い合わせが必要な場合、お客様、保守ベンダー、海外ベンダーとフローも多く、回答が遅いこともあるため注意が必要です。

その他の特徴

ヘッドレスCMS

CMSと公開Webサイトの1対1の関係ではなく、1つのCMSでWebサイトやアプリ、デジタルサイネージ等様々なチャネルのコンテンツを管理することができます。

業界特化型CMS

特定の業界のニーズに合わせて設計されており、業界内でよく使われるページデザインテンプレートや管理機能が予め用意されていることが多いCMSです。


CMS選定でよくある失敗とその対策

前述したようなオーバースペック、または機能不足、運用体制の考慮不足、運用後のサポート考慮不足などがよくある失敗例です。
「CMSを選ぶための具体的な手順・フロー」にある項目をしっかり検討することで、失敗を防ぎましょう。検討結果によっては、CMSが不要、都度ベンダーに委託する方がコストメリットがあるという判断になる場合もあります。
また、CMS導入を検討する際には、選定のポイントとあわせて、導入によるメリット・デメリットを正しく理解しておくことも重要です。詳細については、以下のページをご参照ください。
CMS導入のメリット・デメリット~成功のポイントと注意点を解説~


最適なCMS選びに向けて

今回ご紹介したCMS選定ポイントよく確認し、選定にお役立てください。CMS選定時は、機能も大切ですが、想定した運用ができるか、運用後のサポートはどの程度の粒度でしてもらえるかなど、非機能部分の確認もすることが重要です。
当社開発の国産・静的CMS「とんがりクンCMS」は、使いやすく、また、大手金融機関や商社に採用されるなど、セキュリティ対応の評価が高い製品です。また、当社開発のため、開発者によるサポートを行っており、お客様から大変ご評価いただいています。
お客様の選定基準にマッチする場合、ぜひご検討いただけましたら幸いです。

 

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CMSでよくいただくご質問 トップ10

  1. セキュリティを確保したいのですが・・・
  2. 公開前に上司に確認してもらいたいのですが、承認機能はありますか?
  3. 利用するには専門的な知識が必要ですか?
  4. どんなデザインでも実現できるのですか?
  5. 推奨動作環境を教えてください。
  6. お見積りがほしいのですが。
  7. 携帯向けのサイトを作ることはできますか?
  8. どのくらいの期間で導入できるのでしょうか?
  9. 今あるページをそのままCMSにすることは可能ですか?
  10. 既存のドメインを継続して使えますか?

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